足立唯(あだちゆい)の北海道チーズ巡り
「北海道のチーズについて、もっと詳しく知りたい!どんな人が作っているの?」
そんな声にお応えするために、月2回のコラムを連載いたします。
第三回目は、「ノースプレインファーム」(興部町)です!
北海道の北端から少し右下、オホーツク海に面したおこっぺ町。札幌からは270km強。
なかなかの距離がありますが、「ここにドライブで行ってきたよ〜」と話すお客さんも意外と多い工房さんです。
牛の数は約50頭ほど。
少ない頭数でのびのびと大切に育てられ、牧場に隣接するショップレストラン〈ミルクホール〉ではソフトクリームにハンバーグ、北海道産ワイン、自社以外の工房のチーズまで揃えて楽しませてくれます。
▲大人気のハンバーグ
地元の人たちに地元の牛乳を飲んでもらいたいと、興部をはじめ、旭川や北見への宅配から広まっていったノースプレインファームの牛乳。
そのおいしい牛乳を届ける一つの方法として、チーズやバターが作られるようになりました。
チーズありきではなく、ミルクありき。牛ありき。
食べ飽きしない、優しい味は幅広い世代に人気です。
つい先日、「ゴーダチーズとスモークチーズも、有機JAS認証ラベルになりました」と、工房さんから当店に連絡が入りました。
ノースプレインファームの牛乳にチーズ、ヨーグルトはオーガニック製品。
ひとことに「チーズがオーガニック!」とは言っても、それはどういう事なのでしょう?
有機JAS認証を取得する前から、おいしい牛乳のためには健康な牛、健康な草、そのためには土と、循環農法に取り組んでいたノースプレインファームですが、「オーガニック」と言うためには厳しいチェックがあります。
チーズがオーガニック、ということは、原料のミルクがオーガニック。
ミルクがオーガニック、ということは、牛が食べる牧草や飼料がオーガニック。
なんと、3段階になる認証を経てようやく「チーズがオーガニック」だと言えるのです。
餌から一貫して取り組んだ企業は、全国でも2例目。
北海道では初めてのことでした。
変な言い方ではありますが、珍しいタイプよりも食べやすいチーズ、”チーズらしいチーズ”が好きな方にはぜひ試して欲しいチーズです。
牛乳はコクがあるのにサラサラと軽い飲み心地で、ほんのりと甘い。
そのままでも十分美味しいのですが、カフェオレやミルクティーにすると違いが一目瞭然!
甘さが引き立って、お気に入りの飲み方です。
・ノースプレインファームの主な商品
「おこっぺ有機ゴーダチーズ」
「おこっぺ有機スモークチーズ」
「おこっぺハードチーズ」
「おこっぺハードチーズ クラッシュタイプ」
「オホーツクおこっぺ有機牛乳」
「オホーツクおこっぺ有機のむヨーグルト」
「オホーツクおこっぺ有機ヨーグルト」
「オホーツクおこっぺ醗酵バター」(※有塩または無塩)
「北海道放牧豚ソーセージ」
「おこっぺ醗酵バターケーキ」
「おこっぺバタークリームケーキ」
<筆者プロフィール>
足立唯/あだちゆい
北海道のチーズを食べるのが趣味のコンテスタッフ。
チーズ好きが高じて販売に携わるようになり、道内外のチーズイベントに出没。
道産チーズのミニ講座や物書きとしても活動中。
JR北海道の車内誌『THE JR Hokkaido』の〈道産子のお気に入り〉ページにて、北海道の食にまつわる場所を紹介するコラムを執筆。2018年5月〜2020年3月まで、全12回。